よもぎ餅あんぎゃ

よもぎ餅が好きなので出会ったよもぎ餅のブログをつくりました

千本玉壽軒さんのひちぎりと草餅

千本玉壽軒(せんぼんたまじゅけん)

千本今出川の交差点のすぐ北側に店舗を構えていらっしゃいます。

”千本今出川” とは、”千本通り” と ”今出川通り” が
ドッキングしているところ、という意味の呼び方になります。

京都に来てすぐは、通りの名前がちんぷんかんぷんだったので
会話の中で「~通りにあるお店なんやけどね」
など言われても頭の中は「???」でした。

京都でよく見る、”~上る、下る、西入る、東入る” の住所名は
東西南北を表すので、通りの名前と合わせて住所を読めば
お客さんが迷うことはない、と言われたことがあります。

長い住所やな~郵便番号変換で出てこないし…と思ってたんですが(!)
そんな親切心があったのかと感心したし、「○○区○○町」の表記よりも
確かにだいたいの場所が特定できるので目的地にたどり着ける。

あがる、のぼる、さがる、くだる、にしいる、ひがしはいる・・・
読み方は人それぞれあるようで、そこはあまりこだわらないのかな。

道の名前なんて何本も覚えられるかなぁと最初は不安でしたが、
なんのことはない。

日々暮らしていると大きな通りからだんだん覚えられます。

細い通りは今でも「???」が浮かぶことは多々ありますが…

ということで…

【千本玉壽軒】さんは千本通りにあるお店、ということが
店名からわかるようになると京都通?なのかなと勝手に思ってます。

 

【千本玉壽軒】さんから東にいったところに【本家玉壽軒】さんがあり、
昭和13年に【本家玉壽軒】さんから独立されて
今の場所にお店を構えられたとのこと。

sentama.co.jp

 

【千本玉壽軒】さんは公式Webサイトもあり、
Instagramも公式アカウント(@kyoto.sentama)を開設されているので、
今販売されている上生菓子がどのようなものか来店しなくてもわかります。

お店構えはTHE・老舗!という感じで入るのに勇気が少しいるのですが、
入ってしまえばあたたかく出迎えてくださいます。

オンラインショップも開設されており、公式Webサイトにもある通り、
まさに ”古くて新しい” ことをされている和菓子屋さんです。

sentama.thebase.in

 

そしてなんとなんと、
売店舗のすぐ北側が【茶寮 SENTAMA】というカフェになっていて、
カウンターで職人さんの手仕事を間近でみて出来立てを食べられるんです!

よもぎとは別日に行ったのですが、
上生菓子がその場で仕上げられるところをみたのは初めてだったので
使われている道具や職人さんの手先の器用さをガン見してしまいました。

あとお抹茶を頼むと好きな器を選ばせてくださいますし、
お抹茶も目の前で点ててくださいます!

お茶席のようにかしこまって飲む必要はないのもありがたい。

茶寮専用のInstagramアカウントもあって(@saryo.sentama)、
カフェで現在食べられるメニューを確認できます。

 

お店のある千本今出川はいわゆる「西陣」エリアなのですが、
京都の観光地といえば!な「祇園・東山」や「河原町」あたりとは違って
観光客の方が密集されていないので(バスもそこまで混んでない)、
純粋に和菓子を楽しみたい方にとってはゆったり過ごせて良いと思います。

市バスが多く通っているエリアなのでアクセスも良く、
暑く寒くない季節は地下鉄の今出川駅からも歩けます。

北野天満宮も近いので、歩き回ると色々楽しいエリアです。

 

『ひちぎり』と『草餅』予約

今年のひちぎり行脚がそろそろ始まりそうだなと
情報収集にいそしんでした2月中旬ごろ。

【千本玉壽軒】さんの公式Instagram
『ひちぎり』と『草餅』の投稿がありました。

『ひちぎり』に関しては、今年まわった和菓子屋さんのなかでは
2月中旬から販売というのは少し早めでした。

多くはひなまつり(3月3日)の1週間前~販売が多かったです。

スケジュールの都合上、平日の訪問が難しそうだったので
電話で予約していきました。

商品名とおおよその訪問時間をお伝えして予約完了。

ちなみに【茶寮 SENTAMA】さんの方では
『ひちぎり』と『草餅』はもちろん、季節限定メニューで
『ひなまつりセット』があったみたいです。

 

購入当日

2月下旬でしたけど天気の良い日だったので歩いていきました。

よもぎのシーズンはありがたいことに寒過ぎず暑過ぎない季節なので、
カロリー消費のため歩いて行けるお店はなるべく歩いて行きます。

少し春めいた気候になってきていたので、
道すがら歩いている地元の人や観光客の人も多かったです。

千本通り沿いにお店があるのでバスの中から建物を見たことは
何度かあったのですが、いざ入るとなるとやっぱり緊張する店構え!

木の引き戸(たぶん自動ドアではなかった気がする)を開けて店内に入ると
奥から女性の明るい声が聞こえてきました。

予約したこと、名前を伝えると
既に箱に入れられたお菓子が用意されていて、受け取ってお支払。

 

店内は入ってすぐのところにショーケースがあって、
上生菓子や定番のお干菓子、羊羹などが展示されています。

この時は初めてだったしあまり気持ち的な余裕がなかったのですが、
後日再度訪問したときにショーケースの反対側に展示されていた
お重?のような箱のことをおたずねしたら、
昔は御用聞きにお寺や商家など西陣を回り歩いて販売されていたそうです。

そのときにお菓子を入れていた箱とのことでした。

歴史を感じる…!

昔ながらの建物は管理が大変かもしれませんが、
昔に生きていた人たちの生活を感じることが出来て楽しいので
老舗のお店を訪問すると、いつもぜいたくな思いをさせてもらってます。

 

『ひちぎり』と『草餅』を食べてみて

『ひちぎり』

【千本玉壽軒】さんの『ひちぎり』は、公式Instagramの投稿によると
”こなし、きんとん”とのこと。

・・・”こなし” って何!?

きんとんはふわふわ~ってしたそぼろみたいなあんこ、というのは
なんとなく知っていたたけど、”こなし”ってなんのこと!?

人生はじめて ”こなし” ということばと出会いました。

さっそく検索してみると。

 

こなしは、白餡を主原料に蒸して作る主菓子の生地。

白漉し餡に 小麦粉を混ぜて蒸したのちにこなしたもので砂糖などを加えて甘みをつける。薄力粉の他に強力粉を加えたり、上用粉などを混ぜたりする場合もある。関東の上生菓子で使われる練り切りよりも蒸す工程が入り手間がかかり、また上用粉を用いない場合生地の粘りが少なめである。形がとれるギリギリの柔らかさと弾力を持ち、さっぱりとした味わいをしている。

 

「こなし」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版

2018年8月26日(日)23:18 UTC 

URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%93%E3%81%AA%E3%81%97

 

白あんだったのか!!

白あんに小麦粉だったのか!

和菓子はもち米と砂糖という貧弱なイメージしか持ってなかったので、
小麦粉が使われていることも初めて知りました。

だからか!と思ったのは、【千本玉壽軒】さんの公式Instagramの投稿には
アレルギーの品名も記されています。

『ひちぎり』は ”小麦、やまいも” でした。

小麦なんてどこに使われているんだろうと思っていたので納得。

やまいもはきんとんの方なのかな?

出町ふたば】さんも店頭販売のところにアレルギーの札がいつからか
置かれるようになったので、時代だなと。

 

こなしの衝撃が大きかったですがいざ実食。

 ”こなし”といわれる和菓子を食べたのはたぶん人生初めて。

初めての食感に感動していたらよもぎがブワーってきます。

上生菓子を作ってるお店だしよもぎ控えめだろうと思ってたけど
全然そんなことなかった。ごめんなさい。

上に載っているきんとんは鮮やかな濃いピンク色と白色で、
よもぎの緑色に映えてひな祭りらしい鮮やかなお菓子。

 

『草餅』

公式Instagramの投稿内容によると、”よもぎ入りういろう”とのこと。

ういろうって…で頭に浮かんだのが名古屋のういろう。

直方体のちょっと重いお菓子で新幹線のお土産コーナーや
名古屋エリアの百貨店の地下では必ずコーナーが設けられている。

あんな感じなのかなぁと想像しながら箱を開けて
お皿に移すときに触ってみると少しぺとっとしてました。

手にまとわりつくような嫌な感じではなく、ぺとっ。

食べてみると、こちらもよもぎ感がとても強かったです。

ういろうは名古屋のお土産で何度も食べたことがあったし、
なんちゃってういろうは電子レンジで作ったこともありました。

が、こちらのういろう製の『草餅』はとてもお上品で、
さすが上生菓子を作っているお店のお菓子だなぁ…と感激。

中のつぶあんもとても美味しい。

形もかわいくて、岐阜の『あねかえし』と同じく、
どうやって成形されているのかただただ尊敬するレベル。

来年は持ち帰りではなく茶寮の方で頼んでみたら
『草餅』を成形する職人さんの技を見られるかな…と今から企んでいます。